起業家と一般人の「意思決定」における違い

起業家と一般人の「意思決定」における違い

はじめに

みなさんは昨日、何回『意思決定』をおこないましたか?
「5 回」「10 回」「100 回」あるいは「1000 回」でしょうか。
ケンブリッジ大学 Barbara Sahakian 教授の研究によると、私たちは 1 日に最大 35,000 回もの決断をしているそうです。
ものすごい数ですよね。
ただ、今回はこの数字をみなさんに伝えたい訳ではありません。
この記事では、私がこれまで一般人として何気なくおこなってきた『意思決定』と、fwywd へ参加し感じた、起業家に必要な『意思決定』の違いを書いていきます。
これまで
  • 書籍を読んで理解したつもりになっていた人(私のことです)
  • 実際に『意思決定』の必要に迫られなければ気づけない一次情報を知りたい人
にはお勧めです。

fwywd(フュード)とは?

株式会社キカガクが運営している、淡路島にて社会課題の解決を目指す起業家を育成するプログラムです。キカガクの創業者である吉崎会長と共に淡路島に移住し、仲間と切磋琢磨しながら起業家に必要な総合的な力を養っています。

そもそも意思決定とは?

問題解決にあたって実行可能な行為の中か適と思われるものを選択すること」 コトバンクより
冒頭で述べた35,000 回というのは、日常の無意識な決断も含めての回数です。
「何を食べよう」「どんな服を着よう」「どこへ行こう」など軽い決断でも、意識的なものを思い返してみると、そんなに多く無いと思います。
fwywd 参加前の私自身は、多くて 100 回くらいだったと思います。
また、同じ決断であっても意識しておこなう決断の方が消費するエネルギーは大きく、さらに選択肢が多ければ多いほど、その消費量は大きくなるようです。
「和食かイタリアンどっちが食べたい?」と聞かれると答えやすいですが、「何食べたい?」と聞かれると答えを出すのにすごくエネルギーをつかいますよね。
このように、
「最適と思われるものを決断する」場合には、『意思決定』の中でもより大きなエネルギーを必要とすると考えられます。
実際に、私も仕事をやめて fwywd へ参加するという決断、人生を大きく変える『意思決定』には大きなエネルギーが動いたと感じました。

一般人と起業家の「意思決定」

一般人

まず、一般人とタイトルに書きましたがここでは、
会社や学校などの集団に所属している人
行動を起こすにあたって 100%の裁量権を持っていない
のように、以前の私と同じような人としています。
会社ではおもに、与えられた仕事に対してどのような方法で解決していくのか、どんな順番で仕事を進めていけば一番効率が良いのか、などを決める『意思決定』をしてきたと思います。
私は以前、フレンチレストランで料理人 & ソムリエとして働いていましたが、それも従業員としてお店のルールの中で、役割をこなす、お客様に喜んでいただけるように最善を尽くすといった『意思決定』でした。
どちらの『意思決定』もやるべき事が決まっているので本気で取り組めば、大抵のことは終わっていくし、成果も出ます。失敗しそうになってもフォローをしてもらえます。
この記事を読まれている方々は、きっとこれまで、会社や上司に与えられた無理難題に答えるために必死に頭をフル回転させ『意思決定』をしてきたと思います。
その結果、認められ大きな役割を任されるようになった。これも立派な『意思決定』です。

起業家

先述の一般人の裏を返すと起業家とは、
100%の裁量権を持ち、全ての責任を背負う人
と言えます。
起業家としての『意思決定』は、与えられた課題の解決に最適な選択をし、全力で取り組むだけではいけません。
そもそも答えがないのです。
答えのないものに対して、成功確度の高そうな複数の選択肢を自ら探し出し、その上で比較・選択をするという『意思決定』をしていかなければなりません。

「意思決定」の自由と重み

自由

起業家としての『意思決定』はとても自由です。
自由と言えば聞こえは良いですが、裏を返せば全て自己責任、誰も仕事を与えてくれる訳でも間違いを指摘してくれることもありません。
この自由がもたらす恐ろしさを感じたのは、fwywd 開始初日でした。
オーナーの吉崎さんから指示があったのは、これからおこなう事業の「Mission」を決める。
これだけでした。
そして、裁量権の全てが委ねられました。
その時の私は、「チームでの行動」「技術力の向上」「事業作りに必要な知識の習得」など 無数の選択肢の中で何に重きを置いて行動するのか、そもそも最初に何をしたら良いのか全く分からず、しばらく何も着手することが出来ませんでした。
そこで痛感しました。
今まで私がおこなっていたのは、『意思決定』という枠組みの一部の『選択』に過ぎなかったのです。

重み

起業家の『意思決定』自由であるが故に、やるもやらぬも自分次第。
必死でやった分だけ結果が返ってくる」と言いたいところですが、ここでもう一つ考えなければならないのが、起業家が『意思決定』をおこなった際の責任の重さです。
例えば、
一般人の場合
  • A「メインが肉のコース」
  • B「メインが魚のコース」
であれば、味の好みはありますがどちらを選んでもお腹は満たされます。
起業家の場合
事業の方針について A, B と選択肢がある時、決断をして同じだけ努力したとしても、
  • A「大きな成果」
  • B「成果 0」
となる場合が往々にしてあるという事です。
起業家にとって一つの失敗が、同じ努力量でも全く違った結果をもたらしてしまうのです。
そして、当然その全責任を背負わなければなりません。

おわりに

いろいろな側面から、起業家一般人の『意思決定』における違いについて考えてきましたが、実際に体感してみると「違い」というよりは大きな「差」があるものだと感じました。
起業家の『意思決定
より不確実なものを、大きな責任を伴いながら、意識的に決断する
この連続です。
この『意思決定』を自らおこなっていくのが起業家としての第一歩であり、同時に起業家そのものであると思います。
明日からも『意思決定』の連続の日々です。
私はこれからも、つまずき転びながら起業に向けて多くの『意思決定』をしていきます。
この記事はこれから起業家を目指していく私の決意、そして同じような状況にある人へのエールとなるようにと思い、書かせていただきました。
この記事を読んで少しでも、 fwywd に興味を持ったり私を応援したいと思ってくださった方がいましたら @nabeo654147 を覗いてみてください。
まだ何者でもない私が、起業家として成長していく中で感じた事や気づきを発信しています。
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最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

著者について

watanabe
名前 : 渡邉智彦
前職 : ソムリエ&フレンチ料理人
Twitter : @nabeo654147