ラスベガスでは常識の “VIP戦略” とは?

ラスベガスでは常識の “VIP戦略” とは?

はじめに

概要

自分のサービスに値段をつけることは一筋縄でいきません。とくに一度決めた価格から値上げをすることは、コストをかけて獲得した顧客が離れてしまう要因となりかねないからです。
私は、現在 BtoC ビジネスを始めるべく準備をしています。私も自らのサービスの価格設定に悩み本や動画で調べていました。そこで出会ったのが、西野亮廣さんが講演会で話していた「VIP 戦略」です。VIP 戦略は平等なサービスを作るのではなく、格差をうまく利用することでサービス全体の満足度をあげる手法です。
今回の記事では具体例を出しながら「VIP 戦略」とはなにかについて解説します。
この記事を読むと
  • マーケティングが学べる
  • 経済的格差社会を活用できるようになる
  • 価格設定を工夫してお金のない人にもいいサービスを提供できるようになる
これからサービスに値段をつけていく方には必見の内容になっていますのでぜひ最後まで読んでいただければと思います。

自己紹介

安井海都 (Twitter:@A1123Kaito)
大学卒業後、2 年間繊維専門商社でアパレルの企画・生産を行っていました。そこで技術力が高い職人さんの工賃の値切りが常態化していることに疑問を持ち、これまでの常識を捨てすべてのものの価値の再定義を目指す「Rethink Revalue」をミッションとし活動しています。

VIP 戦略の活用事例から学ぶ

ラスベガスのホテルはなぜ安い

ラスベガスにあるベラージオホテルをご存知でしょうか。巨大な噴水があるホテルです。世界一のエンターテイメントの街であるラスベガスでもトップクラスの格付けが行われています。
ラスベガス
実は、このホテルの最安値は 1 泊 1.5 万円程度で設定されています。繁忙期のビジネスホテルくらいの値段で宿泊が可能です。想像より安いと感じたのではないでしょうか。
一方、1 番高い部屋はどうでしょうか。こちらは招待がなければ入れないので公式の値段が出ていませんが、聞くところによると 1 泊 2,000 万円程度ではないかといわれています。もちろん 1.5 万円の部屋だからといって、遠くにあるぼろぼろの別館に連れて行かれるわけではありません。
では、なぜベラージオホテルのような超有名なホテルで 1 泊 1.5 万円という割安な部屋を提供できるのでしょうか。
それは 1 泊 2,000 万円で宿泊してくれている VIP がいるからなんです。VIP が余分にお金を出してくれているという構造が割安なサービスを作り出せる要因となっています。

USJ のユニバーサル・エクスプレス・パス

USJ も VIP 戦略が非常に上手なことで有名です。USJ ではユニバーサル・エクスプレス・パスというパスを購入するとアトラクションへ乗る際に、通常とは違う列へ並ぶことができます。人気なアトラクションですと 2 時間待ちになることも少なくない中、ほとんどの場合、このパスさえあればで並ぶ時間を 30 分以下に短縮できます。USJ はエクスプレスパスを作る事で、VIP が高い値段を支払って他の人も一定のいいサービスを受けられる構造を作っています。4 つのアトラクションを並ばずに乗れるパスは 7,000 円〜という価格で販売されています。USJ の 2022 年のパークチケット価格が 9,000 円程度と考えると、決して安いものではありません。一部のお金に余裕のある人が+ α でお金を支払っているからこそ、その他大勢の方が 9,000 円でパークに入場できています。エクスプレスパスを無くし、「全員が平等なサービスであるべきだ」という考えであれば、チケット代は現在の価格から +500 円〜 +1,500 円が適正価格となるでしょう。
※上場を廃止しているため、具体的な数字を出せず申し訳ありません。
今回の例では格差というほどの値段差ではないかもしれません。しかし、通常よりもお金を多く支払ってくれる人がいるからこそ、大多数の方々が本来の価格よりも安くサービスを受けられているということは理解できたはずです。

なぜ安く提供するのか?

ここは今回の本題ではないので短くまとめますが、ベラージオホテルが安い部屋を提供する意味はブランドという付加価値が必要だからです。ベラージオホテルでの付加価値はラグジュアリーブランド(ステータス)の提供です。そして西野氏は ラグジュアリーブランドとは『認知度』-『普及率』であると表現しています
もう少し簡単に言うと、みんなが知っているけど「あまり持っていない・経験できないもの」がラグジュアリーであるということです。 だからこそ認知度を上げるために、ベラージオホテルは割安な部屋を用意しているということです。VIP が高いお金を払うのに見合う付加価値が必須となります。

「儲ける = 悪」の日本

日本では儲けるというのはあまりいい事だと思われていません。ここでいう儲けるの定義は原価率の低いモノを指します。原価が 100 万円のものを 200 万円で販売しても問題はありませんが、原価が 1 万円のモノを 200 万円で販売すると批判が殺到してしまう現象にフォーカスを当てています。後者を買いたいという人がいても、「そんなものはぼったくりだ!」と批判されてしまうものです。とくにデザインや時間といった無形の価値は軽視されやすいです。
多くの場合は批判を覚悟して、作り上げていくしかないかもしれません。批判している人は、そのサービスを最初から購入する気がないというケースが多いからです。最近だと堀江貴文氏がクラウドファンディングの 10 万円のリターンが自身との食事に設定したことで炎上していました。

おわりに

平等な価格設定は貧乏が損をする。言葉は乱暴ですが、ここまで読んでいただいた方には意味が理解できるのではないでしょうか。VIP が高い値段を支払ってくれるからこそ、自分たちは本来の訂正価格より安くサービスを受けられます。
事業を作る側としては、多くの方に自分のサービスを広げたいのであるならば、VIP が満足をする付加価値を作っていくことが必要なのではないかと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。
普段は Twitter(@A1123Kaito) 、YouTube(KAITO-BLOG) で起業家の想いや普段の生活を配信しています。フォローしていただければ嬉しいです!