おすすめ!起業アイディアの出し方は原体験から考えよう

おすすめ!起業アイディアの出し方は原体験から考えよう

はじめに

どうやって起業のアイディアを考えたら良いですか?』最近、この質問が一番多い気がします。
実は、考えようとするから出てこないのです。起業のアイディアとは、行動できるほどの熱量が必要であり、これは市場から生まれるものではなく、みなさん自身の原体験から生まれてくるものなのです。 今回はすでに起業のアイディアをまとめるための武器として確立されているフレームワークに加えて、私の我流の考え方も併せて、おすすめのアイディアの出し方として紹介します。

自己分析のフレームワーク

起業する際のビジネスのアイディアの考え方、その中でも起点となる自己分析のフレームワークはすでにいくつも提案されています。
今回は、起業を考えたら読みたい一冊『起業のすすめ さよなら、サラリーマン』 で紹介している書籍で紹介されている中から、始めやすいと思った2つの自己分析を紹介します。気になった方はこの書籍で全体を見通していただいても良し、それぞれで紹介する書籍で深掘りするのも良しです。

デロイトトーマツベンチャーサポート理論

この理論では、Why, How, What, Who の4パターンに分けて、まず自分がどのタイプかを考えます。そして、自分の得意な方法からビジネスを考えていきます。
  • Why 型:ビジョンを考えるスキル
    • ビジネスの重要性や熱量を人に伝えることが得意なタイプ
    • CEO に多いタイプ
  • How 型:ビジネスモデルを考えるスキル
    • ビジョンをビジネスに変換して収益化を考えることが得意なタイプ
    • CFO や COO に多いタイプ
  • What 型:商品を開発するスキル
    • 技術や製品を熱中して作ることが得意なタイプ
    • CTO に多いタイプ
  • Who 型:顧客を考えるスキル
    • ユーザーは何を望んでいるか市場から考えることが得意なタイプ
    • CMO に多いタイプ
この自己分析では、そもそも自分が CEO として起業すべきなのか?、それとも共同創業する仲間を見つけるべきなのか?というところがわかるのが良いです。起業のアイディアが出ないという理由は、もしかすると、自分自身では課題意識が弱いため、他の人の強烈な課題意識を一緒にやり遂げたいと思う心の叫びなのかも知れません。
ベンチャー企業で課題解決に向き合うには CEO 以外にも多くの役割が必要とされるため、得意な領域で価値を発揮できるように自己分析を進めましょう。
気になった方は、以下の書籍でさらに深掘りしてみましょう。

ストレングスファインダー理論

これは書籍『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー 2.0』にて紹介されている、主に『強みの活かし方』に焦点を当てた内容です。
これは方法自体が良いと言うよりも、Web テストがついているため、質問に回答していく中であなた自身のことが自動的にわかっていくことが良いことです。フレームワークに落とし込んで考えてみると言うのは、簡単なようで意外と自分のことを客観視できなかったりするので、こういった質問に回答していく形式の方が最初のステップとしては良いでしょう。
そして、得られた結果をもとに、自身の強みを活かしていく行動アイディアを深めていくと良いでしょう。
私の周りでも、起業のアイディアを考えるときだけでなく、チームビルディングの一環として相手のことを理解するために使っている企業も多いです。

吉崎流の考え方

収束と発散を意識

それでは、ここからが私の考えるビジネスアイディアの考え方です。
まず、前提として、ビジネスアイディアを考えるときには発散収束のパートを別々に用意することが重要です。多くの人はこれを同時に考えてしまうため、自分のアイディアに制限をかけてしまうのです。
発散のパートでは、これから紹介するように原体験をもとに、解決したい課題をどんどん書き出していきます。ここでの特徴として、ビジネスとして成立するか?といった観点は一切不要です。これを考えてしまうことで、アイディアの発想が狭まってしまうのです。
次に収束のパートでは、書き出したアイディアに対して、ビジネスのフレームワークを当てはめます。クッキーを作るときに型にはめるのと同じ流れです。うまく型にはめられなかったところをどんどん削ぎ落としていくのです。
発散のパートでは自己肯定感を強く、収束のパートでは計画性を強く意識して、一人二役をそれぞれで演じるようにしましょう。

収束は慣れの問題

先に収束のパートから紹介すると、これは2つの課題を解決するように型を考えるだけで OK です。
1つ目のユーザーの課題解決では、『誰の』『どんな問題を』『どうやって』解決するか。そして、2つ目のビジネスの課題解決では『誰の』『どんな予算を』『何と比較させて』ひっくり返すか?
これを答えることができれば、ビジネスとして成立する見込みがあるリストに入れていき、その中で検証していくアイディアを最終的に決めるだけです。
事業計画書をしっかりと書かなければいけないのでは?と思われるかも知れませんが、これは意外と違うのです。初期は見込みのある事業に見当をつけて、あとは仮説検証のトラクション(実績) の方が、綺麗な事業計画書よりも遥かに説得力があります。
ここで落とし穴なのが、ビジネスの課題解決にある『どんな予算』のところです。ここは経験者の方が圧倒的に有利なパートになります。ビジネスを開拓した経験が浅いもしくはない人は、目の前のユーザーからお金を取る方法しか考えられません。一方で、ビジネス経験が豊富だと直接的なマネタイズでなく間接的なマネタイズも見当することができます。視野が狭いと実現不可能に見えるものも、視野が広いと実現可能なこともよくあります
間接的なマネタイズを理解する上では、フック回収の役割を分けることから知っていくと良いでしょう。以下の参考記事がお勧めです。ビジネスを収束させるフェーズでは、経験者が近くにいれば壁打ちを申し込んでフィードバックをもらうことが近道です。

原体験を重要視する理由

ビジネスモデルに落とし込む収束は経験者が有利であると言うことは、結局ビジネスは先輩が勝ち続けるものと結論づけられる気がします。でも、意外とそうじゃないところが面白いところなのです。
実は発散のパートでは、ビジネスの経験よりも原体験の強さが重要であり、これは経験で補うことができません。
先輩経営者でも1つ目のサービスは原体験から来る思いが強く、成功する一方で、それ以降の新規事業がうまくいっていないという話を聞いたことがないでしょうか。これは、1つ目の経験によってビジネスモデルへの落とし込みがうまくなった一方で、次のビジネスへ落とし込む原材料がないため、結局うまくいかないのです。
原体験行動の原動力です。どれだけビジネス力が向上したとしても、原動力なき成功は難しいのです。

フルコミットは最強の差別化要因

人はひとつのことにしか注力できません。だからこそ、差別化を図れるところは『全力で課題解決に注力する』ことです。
例えば、経験者である私から答えを与えられてその通りに実行する程度のビジネスであれば、私自身が先に取り組んで成功しているでしょう。
世の中にこれだけ素晴らしい経営者がいても解決されていない問題があることには理由があるのです。だからこそ、リスクを恐れず、フルコミットでその課題へ向き合うことこそ、最強の差別化要因になるのです。

原体験は過去の怒りがヒント

それでは、原体験からアイディアを発散させていきましょう。そうとはいえ、原体験の深掘りなんて、どこから手をつけて良いかわかりませんよね。
私は怒りをヒントに考え始めます。解決したいと強く思うということは、そこに怒りが隠れていることが多いのです。これまでの人生を振り返って、自分が抱えているコンプレックスなどに注目し、怒りを強く感じたシーンを振り返ってみましょう。
私自身は、公立の小中 → 高専 → 京大 → 社会人と人生を歩んできたときに、毎度環境が変わるごとに驚かされることばかりでした。次の段階で出会う人たちの当たり前と自分の当たり前が極端にレベルがずれており、いつも私は劣等感を抱えて生きてきました。そのときに、なぜ教えてくれなかったのかといつも怒りを抱えていました。専門的な学力だけでなく、一般教養、コミュニケーション力など、同じ時間を過ごしているはずが、同い年でなぜここまで情報格差が開いてしまうのか。
この怒りが原点になり、私のような田舎者(小学校は1学年17人)でも臨めば機会が得られるようなサービスを作っていきたいと教育という領域を選択しました。また、社会人になってから、周りが全然学ばない様子を見て、この人たちと一緒に働いていかないといけないのかと落胆の怒りもあり、社会人を本気で変えられるような教育へと今は繋がっています。
このように、みなさんの人生で怒りを感じたときを書き出してみましょう

生活に困らないときに何がしたい?

原体験とさらに向き合う方法がもうひとつあり、これは一般的に紹介されていることをあまり見たことがありません。一方で、起業家を志す人と面談をしているときに質問すると、目の色が変わることがあります。
それは『もし生活には一切困らないお金がすでにあったら、何がしたい?』という質問です。
アイディアを膨らませるときに、多くの人が『最低限でも生活が成り立つ中で』と心のブレーキをかけてしまっているのです。そのブレーキを外すのがこの質問の意図です。
最初から大きな野望を解決できるわけはありません。そうにも関わらず、ビジネスのアイディアを考える初心者は最初からラスボスと戦う気で考えてしまいます。そうなると、自分のレベルもそこまで高くないことがわかっているので、ラスボスのレベルを下げるのです。

ラスボスは大きくて良いじゃん

よく起業家の失敗談に『半歩先のサービスを作る』という教訓が書かれています。倒すべき敵が早すぎた反省から、レベルをちょっと下げて現実的なプロダクトを作っていこうという話です。私自身、この考え方には賛成で、収益を上げるためには必然だと思います。一方で、それがラスボスだと考えるのは違うと思います。けれども、多くの人がこの半歩先のサービスをラスボスとして会社のミッションを設計していき、時代に適した価値の高いうちに M&A や早期 IPO での Exit して売り抜くという流れにも見えます。この時代に適していることを証明するかのような短期利益主義PL 主義が残念でなりません。
ラスボスは大きくて良いのです。ラスボスを倒せるように、自分自身や組織を成長させていけば良いのです。だからこそ大切なことがマイルストーンを適切に定め、今の自分達でも倒せる小さなボスから着手していくのです。
もし生活には一切困らないお金がすでにあったら、何がしたい?』という質問では、多くの人が人生最後にやり遂げたいラスボスが現れます。
みなさんにとって、人生を賭けて挑戦したいことはなんでしょうか。ぜひ長期的に取り組みたい、最後の展望まで見通してみてください。

おわりに

少し前に後輩から起業したいと相談を受け、理由を聞いてみると「5年以内に10億円欲しい」と回答がありました。なぜ10億円欲しいのかと聞くと「5年後に出産を計画している子供に良い教育を受けさせたいから」。いま流行りの早期退職して形成した資産で暮らすライフスタイルの FIRE を実現したいのだと理解しました。
ちなみに、これから生まれてくる子供にとって、働かずに悠々自適の生活を送る様子を見せるのと、社会への課題意識を持って日々取り組む父親の背中と、どちらをあなたは見せたい?と聞くと、ハッと目が覚めたようでした。まさに手段が目的になっていたのです。
もちろん、良い教育を受けさせられるように生活の資金に余裕がある形で、熱量高く取り組める領域を見つけていこうと、そこからさらに深掘りしていきました。
この議論で大事だったことは制約条件目的関数の切り分けです。制約条件とは、最低限クリアしていないといけないこと。目的関数とは最大化したいもののこと。つまり、この知り合いは、子供に良い教育が受けさせられる生活資金の獲得が制約条件(最低限の条件)であり、その上で、自身の熱量を最大限高く取り組めるビジネスを構築したかったのです。
制約条件目的関数の2つを正しく切り分けて設定できることで、自身が最終的に取り組みたいテーマが見つかるかも知れません。
それでは、今回も長文をお読みいただきまして、誠にありがとうございました。fwywd では本記事以外でも起業のヒントになる記事を書いていますので、ご覧いただけますと幸いです。

著者

株式会社キカガク 代表取締役会長
吉崎 亮介
twitter: @yoshizaki_91

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awaji
キカガクの創業者であり、fwywd 責任者である吉崎が次に手掛けるのは『本気の起業家育成』。
経営力と技術力の両方を兼ね備えた人材を育成し、これからの日本の変革に挑戦します。
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